【読書】適応力【羽生善治】
将棋はめっきり弱い自分ですが、棋士の人の本は割りと好きで読みます。
- 作者: 羽生善治
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2015/08/02
- メディア: 文庫
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この適応力という本は今まで羽生善治さんの本を読んだ人なら総集編、みたいなもので
直感・基本に戻る・変化し続ける。これは人生にも言えることだと思うんです。
将棋は選択の連続ですが、人生も選択の連続だと思うんですよね。
なぜこの選択をしたのか。どうして他の選択をしなかったのか。棋士の人はそういうことをし続けているからこそ言語化出来るのでしょう。
相手の立場になって考えるの間違い
将棋は相手がどういうことをしてくるかを考えて相手の困る一番の手を指すことですが、「3手読み」の解説で、まず1手目が自分にとって最善(相手にとって最悪)の手を探し、次に相手にとってのベスト(自分にとって最悪)の手を探し、それを踏まえて3手目に自分が何をするのがベストか、という思考をするというところがあるのですが、よくある「相手の立場になって考える」のところで
よく、相手の立場になって考えましょう、と使いますが、相手の立場になって自分の価値観で判断していることが多いのです。
この言葉はぐっと刺さりますね。相手の立場になって考えるのは「相手の価値観」に基いて考えなければならない。それってとても難しいことです。自分の価値観で考えればそれはただの”都合の良い選択”をすることになってしまいます。
”棋は対話なり”相手の価値観を認め、どんな価値観かを理解しようとするのは容易いことではありませんが、そういう努力をしていくことで段々と出来てくる。
将棋はさっぱりですが、この人の本は人生を考えるにあたって読むと色々考えさせられます。正直、どこぞの啓発本よりもよっぽど読み応えがあると思う。